高血圧ガイドライン2014の変更点

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高血圧のガイドライン2014ではいくつかの変更点がありました。
降圧目標は、若年・中年・前期高齢者の患者、脳血管障害患者、冠動脈疾患患者では140/90mmHg未満に引き上げ、後期高齢者患者は150/90mmHg未満というように高齢者を前期と後期に分けました。
糖尿病患者・CKD(タンパク尿陽性)患者は130/80mmHgとしています。
家庭血圧ではそれぞれの値より5mm低い値が設定されていますが、最近では高血圧の患者の多くが家庭で血圧計を使って測定していることから、家庭血圧による診断を診察室血圧と差があった場合には家庭血圧を優先することになりました。
降圧薬治療では、積極的適応がない場合の高血圧に使用すべき第一選択薬として、Ca拮抗薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、サイアザイド系利尿薬またはサイアザイド類似薬の4種類とし、β遮断薬を第一選択薬から除外しましたが、心疾患合併患者にはβ遮断薬は積極的な適応になる場合もあります。

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第一選択薬を単剤で使用しても十分降圧できない場合には、4種類の中から2種類を組み合わせて使用し、目標血圧まで下がらないときには3剤を併用するとしています。
それでも血圧コントロール不良の治療抵抗性高血圧にはβ遮断薬またはα遮断薬や別の降圧剤を併用するという手順が示されました。
糖尿病合併患者の降圧目標は、世界的には緩和される状況にありますが、日本では脳卒中の発症率が欧米よりが多いことから、血圧管理によって脳卒中予防ができるとしています。
しかし糖尿病合併患者でも、動脈硬化性冠動脈疾患、末梢動脈閉塞疾患、頸動脈狭窄がある患者は、個々の病態に応じて降圧目標を緩和すべきであるともしています。
また妊娠・出産に関連した高血圧の第一選択薬は、妊娠20週未満では、メチルドパ、ヒドララジン、ラベタロール、20週以降ではこれらの3剤にニフェジピンを加えた4剤となっています。
授乳が可能と考えられる降圧薬は、Ca拮抗薬のニフェジピン、ニカルジピン、アムロジピンほか7種の薬剤が挙げられています。

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